売上高が右肩下がりを続けている百貨店業界。消費不況の出口も見えず、業界の構造的な不況も指摘されている。9月まで実に31カ月も連続して売上高の前年割れに見舞われており、各社はいち早く浮上のきっかけを見つけようともがいている。そのなかで、阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ?ツー?オー(H2O)リテイリングとの経営統合を断念した高島屋は海
外売上高の拡大とともに、国内では「地域密着戦略の強化」などを打ち出す。特色ある店舗作りで長いトンネルからの脱却を目指す。(兼松康)
[グラフで見る] 高島屋の売上高と来客店数の推移
◆鍵握る大阪店改装
「結構、使えるようになったわ」「あっちこっちに行きやすうなったなあ」
9月に2期工事が終わり、全面
改装に向け全体の7割部分をオープンした高島屋大阪店(大阪市中央区)。数年ぶりに訪れた大阪市西区の主婦(65)は、一緒に行った長女(40)と新たな店の変わりように驚いた。
長女が目を引かれたのは、消費者の目的別に場所を分けた1階の化粧品売り場。上階の婦人服売り場では「自分の年代向けの服も選びやすくなった印象がある」ともいう リネ2 rmt
。主婦はそれまで本館?東館?西館に分かれていた建物を、東館部分の増床により3館をつなげたことでいろんな売り場に行きやすくなったことを喜んだ。
来年3月に全面改装を終える大阪店は、大阪で増床が続く百貨店戦争で、高島屋が浮沈をかける旗艦店舗だ。
高島屋の2010年8月中間連結決算は売上高が4227億円と計画比で上振れし
たものの、前年同期比では減収となった。営業利益の同53.2%増は、人件費や販売管理費をはじめとする徹底した経費削減のたまもの。このまま売上高の右肩下がりが続けば高島屋だけでなく業界全体が縮小均衡に陥りかねない状況だ。
9月に2期工事を終えてオープンした大阪店は、中間決算で計画を27億円上回る売上高達成の原動力となった。主
婦や長女の声は、その好調さを表しているともいえる。
こうした施設や売り場の改革実現の端緒となったのが、顧客の声だ。高島屋は11年2月期までの重点施策目標の一つとして、顧客ニーズの把握と営業施策への反映を掲げる。
そのために室長以下、8人からなる「CS推進室」を9月1日付で新設した。店舗や電話などを通じて集めた顧客
の声をデータ化するのが同推進室の仕事だ。さらにこの声を分析した上で、品ぞろえやサービス、販売促進や店舗環境などになるべく早い段階でフィードバックさせ、顧客満足度の向上に役立てようとしている。
同社の鈴木弘治社長は「データを集めても何もしなくては意味がない」と指摘する。このため、商品に関するものならマーチャンダイジング(商
品政策)の本部、店舗に関連のあるものは店舗と、施設に関するものであれば総務本部などと連携し、迅速に対応しているという。
◆きめ細かくサービス
こうして顧客の声を反映した結果、生まれてくるのがもう一つの重点施策目標である「地域密着戦略の強化」だ。地方店はもちろん、首都圏の大型店である東京店(東京都中央区)、新宿店(
同渋谷区)、横浜店(横浜市西区)も「日本橋なら50?60代が顧客の中心となるが、新宿はもっと若い世代が多い。横浜店はターミナル駅だからさらに幅広い客層。それぞれに特色がある」という。それらを詳細に分析した上で、顧客のニーズに合ったきめ細かい品ぞろえやサービスを展開していく方針だ。
子会社の東神開発が運営する新宿の「タカシマ
ヤタイムズスクエア」に高島屋新宿店と同様にテナントとして入るカジュアル衣料品店の「ユニクロ」や、来年2月に立川店7、8階にオープンする「IDC大塚家具」なども、各店の個性を際立たせる商品群となる。
だが、それらの個性も「高島屋らしさ」が前提となるため、「百貨店らしいたたずまいを壊さないパートナーが出てくることが必要」とな
る。
◇
■効果不透明、固定客化に時間
大阪では2014年にかけて梅田や天王寺での百貨店の増床?改装が相次ぎ、市場が縮小する中で供給過多となるのは必至の状況だ。鈴木社長はそうした状況においても、「大阪店は、これまで大阪になかった充実した百貨店。今の考え方でリニューアルを
完遂させれば、これまでの顧客をつなぎ留めつつ、新たな客層も掘り起こせる」と揺るぎない自信を見せる。
ただ、顧客の声に基づき、地域の個性に合わせたこうした店舗展開がどの程度、増収に寄与し、売上高の右肩下がりを食い止めることができるかは不透明だ。「地域密着」が顧客獲得につながるまでの明確な戦略の道筋に対する答えを、顧客の声を
聞きながら出すのは至難の業といえる。声を吸い上げた顧客を固定客にするには時間もかかる。
また急速に進む円高やそれに伴う株安となれば、景気に不安を感じる消費者の心理を冷やし商品購入の動きは鈍くなる。11年2月期の売上高は従来予想から、145億円上方修正した8610億円を予測する。予想から上積みしたものの、前年同期比と比較す
れば「消費の先行きは不透明」とし、168億円の減収を見込む。数字の上からも右肩下がりの脱却は見えない。
「消費の回復に決め手はない上、少子高齢化の進展など構造的な問題もある」と鈴木社長は嘆く。
伊勢丹との経営統合の効果を銀座の旗艦店で打ち出した三越、若年層や中国人観光客を呼び寄せるテナントを次々に入れる松坂屋。各
社がさまざまな特色を打ち出す中で、経営統合を中止した高島屋は地域密着戦略にかける。消費不況にあえぐ百貨店の模索はしばらく続きそうだ。
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FNO RMT
引用元:FF11 RMT
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